「ワンルームマンション投資に興味があるけれど、新築と中古のどちらが自分に向いているのかがわからない」といったお声をよくお聞きしますが、結論からお伝えすると、新築・中古それぞれにメリット・デメリット、向き不向きがあるため、一概にどちらか一方がよいとは言い切れません。
まずは、それぞれのメリット・デメリットを知ることから始めてみましょう。
新築ワンルームマンション投資、中古ワンルームマンション投資に向いている人の特徴やリスクの軽減方法などもお伝えしますので、さまざまな視点から比較して、物件を選ぶ参考にしてください。
徹底比較!新築VS中古ワンルームマンション投資
新築ワンルームマンション投資と中古ワンルームマンション投資には、主に「利回り」「物件価格」「自己資金」「立地」「設備」「修繕費用」「実績」「空室リスク」「家賃下落リスク」「資産価値下落リスク」「契約不適合責任」の11つのポイントにおいて、大きな違いが存在します。
ひとつずつどのように違うのか確認していきましょう。
利回り
都心部のワンルームマンションの利回りを比較すると、新築で実質利回り(NET)が2~3%程度、中古で3~4%程度と、利回りは一般的に中古ワンルームマンションの方が1~2%程度高い傾向にあります。
なお、実質利回り(NET)とは、賃料収入から、管理費・修繕費を差し引いて計算した利回りのことで、(年間賃料収入-年間管理費・修繕積立金)÷物件価格の計算式で求めることができます。
不動産の広告などによく用いられている表面利回り(単純に年間賃料収入を物件価格で割ったもの)よりも低くなるのが特徴で、物件の収益力を判断する上で非常に重要な意味を持つ数値です。
不動産投資においては、いくら表面利回りが高くても、多額の経費がかかって実質利回り(NET)が低くなっては、事業として成り立ちません。そのため、物件を選ぶ際には、表面利回りではなく、実質利回り(NET)を見て、比較検討することが大切です。
物件価格
物件価格は中古ワンルームマンションの方が安く、築年数が経つにつれて割安な物件が増えるのが一般的です。新築の価格設定では、土地代や建築費、人件費、広告宣伝費などの原価と利益で構成されています。中古の場合は、価格を決めるのは売主と買主です。また、家賃と管理費・修繕積立金の金額からエリア・築年数に応じた利回り計算によって価格の相場が決まっています。そのため、新築から1年経過し、中古扱いになると物件価格が2割ほど下がってしまいます。
新築というブランドにこだわらない方は、中古物件にも目を向けて物件を探してみると、割安な物件が見つかる確率を高めることができるでしょう。
自己資金
頭金10万円のみの100%融資を利用して、自己資金をほとんど使わずに不動産投資を始めたいと考えた場合、築20年以内の物件、もしくは好立地にある築30年以内の物件を選ぶと良いといわれています。
特に、物件評価が低くなりやすい地方の物件の場合は、築年数によっては100%融資が難しくなるため注意が必要です。
また、ローン期間がRC造の場合、60年―築年数=ローン期間で最長35年、完済時年齢85歳未満の金融機関が多数を占めています。
ローン期間が短くなると、月々の返済負担が増え、手出しをともなう可能性も高くなってしまうため、月々の手出しを最小限に抑えて安定的な賃貸経営を目指したい方は、築30年以内の物件を選び不動産投資を始めることをおすすめします。
立地
最も高い需要が期待できる都心部には土地の空きが少なく、近年新築されている物件を見ても、都心から少し郊外に建設されるケースが多くなっています。
また、東京23区には、各自治体が定める単身者向けの『ワンルームマンションの建築を規制する条例』が存在し、一室の最低面積を25平米以上とする(文京区など)、30平米未満の住戸については一戸につき50万円課税する(豊島区)などと、単身者世帯の増加を防ぐための対策が講じられています。(なお、東京23区内で規制の対象とされているワンルームマンションの定義は、各自治体によって異なりなすが1Rや1Kの間取り限定ではなく平米数によって区別され、一室の面積が40平米未満の住戸を指す場合がほとんどです。)
このような規制により、今後、好立地にワンルームマンションが新築される可能性がますます低くなると考えられることから、条例のなかった時期の中古ワンルームマンションに視野を広げた方が好立地の物件を見つけやすくなると考えられます。
設備
最新の設備が導入されていることは新築の強みで、人気の最新設備が導入されていることで、高い需要が期待できます。
中古物件を選ぶ場合は設備の入れ替えや、築古物件ではリフォーム費用も加味した事前のシミュレーションが必須ですが、新築ワンルームマンションと中古ワンルームマンションとでは2~3割の価格差があるため、設備交換費用を加味しても中古物件の方が割安になる場合がほとんどです。
修繕費用
給湯器やエアコンなどの寿命は10~15年程度、水回りの設備は20年に一度程度の入れ替えやリフォームが必要といわれています。壁紙など軽微な原状回復工事であれば、数万円程度の負担で済む場合もありますが、主要な設備故障が重なった場合には、十数万円から数十万円の費用負担が発生します。その点新築であれば、最初の10~15年程度は設備の入れ替えや修繕が必要になる確率が低く、初期の費用負担が少ない点がメリットと考えられます。
ただし、前述のとおり、新築と中古とでは、価格差は2~3割あるため、設備交換や修繕の費用が早期に発生するリスクを加味しても、中古ワンルームマンションの方が割安といえるでしょう。
実績
新築ワンルームマンションの場合、賃貸履歴や建物の修繕における実績がゼロのため、その家賃設定で十分な需要があるのかがわからず、初期設定が高すぎると、2回目の入居者募集の際に賃料が大幅に下がってしまうケースや、10~20年で行われる大規模修繕の際に十分に積立金が貯まらないケースも存在します。
その点、中古ワンルームマンションは、家賃下落率が低く、それまでの賃貸実績や修繕履歴がわかるため、誤差が生じにくく、ある程度正確な収支予測が立てやすい点がメリットです。
空室リスク
築年数が高くなるにつれて空室リスクが高くなるのが一般的です。ただし、立地のよい物件を保有し、退去時の適切な原状回復工事や適切な空室対策を講じれば、新築・中古問わず空室リスクは軽減でき、築古のワンルームマンションでも入居率95%以上を狙うことは十分可能です。
空室リスクは不動産投資において最大のリスクといわれていますが、自身で適切な空室対策が行えるだけの経験を積むか、優秀なパートナー(賃貸管理会社)を見つけてサポートしてもらうことで、大幅に軽減することができるでしょう。
家賃下落リスク
家賃は築古になり、物件の需要が低くなるにつれて下落するといわれていますが、都心部のワンルームマンションの場合は、新築から築15年にかけて10~15%程度家賃が下がり、その後の家賃下落が落ち着き、ほぼ横ばいになるという特徴を持ちます。
家賃下落リスクを抑えたい方は、家賃の値下がりが少なくなる築15年以降の物件を検討するとよいでしょう。
資産価値下落リスク
新築価格の評価は建築後1年経過するか、引き渡しが完了した時点で不動産の価値は2割程度落ちるといわれています。また、築20年を超えたあたりで、資産価値の下落率が緩やかになる傾向があるため、中古の方が資産価値下落リスクにも対応しやすいと考えられます。
また、投資用不動産の価値(価格)は「エリア、築年数、家賃、管理費、修繕積立金」で決まるため、都心部の需要が高い物件など、入居者退去後の賃貸募集も1か月空けずに決まり、築年数の経過にともなう家賃の値下がりも少ない物件であれば、築年数が経っても資産価値が下がりにくいという特徴をもちます。
契約不適合責任
新築の場合は、売主が不動産ディベロッパーなど宅建業者のため、引き渡しから10年間の責任期間が存在します。中古の場合も、原則2年の責任期間が存在しますが、売主が個人の場合は、売主が契約不適合責任を負わないとすることができるため注意が必要です。
なお、2020年4月1日の民法改正でそれまでの瑕疵担保責任から、契約不適合責任に変更になり、買主が請求できる権利が増えました。具体的には、売主が責任を負う対象が隠れた瑕疵から契約の内容に合致しない場合に拡大され、契約解除の要件が緩和されるなど買主にとって有利な変更が数多く盛り込まれました。
契約不適合責任の有無や期間は契約を判断する上で非常に重要なポイントです。中古物件を購入する際には、契約不適合責任に関する取り決めがどうなっているのか、必ず確認をするようにしましょう。
新築ワンルームマンション投資のメリット・デメリットとは?
新築ワンルームマンション投資にはそれぞれどのようなメリット・デメリットが存在するのでしょうか。
新築ワンルームマンション投資のメリット
新築のワンルームマンションには、最新の設備が導入されているため、10~15年程度は維持管理にかかるコストや空室対策の難易度が低いというメリットがあります。また10年間の契約不適合責任が保証される点も万が一の安心につながるでしょう。
新築ワンルームマンション投資のデメリット
新築ワンルームマンション投資のデメリットは、なんといっても利回りの低さと物件価格が割高であるという点があげられます。また、ワンルームマンション条例などで規制を行う動きがあることから、都心部の好立地に新築ワンルームマンションが建設される可能性はゼロではありませんが、低くなっていくと考えられるため、好立地の物件が見つかりにくい点もデメリットです。
中古ワンルームマンション投資のメリット・デメリットとは?
新築ワンルームマンション投資と比べて、中古ワンルームマンション投資には、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
中古ワンルームマンション投資のメリット
中古ワンルームマンション投資には、『新築ワンルームマンション投資より利回りが高い」『新築ワンルームマンションよりも物件価格が割安』『実績を加味して投資判断ができる』『好立地の物件が選択肢に入る』『下落が落ち着いた物件を選べば家賃下落リスクや資産価値下落リスクを軽減できる』などのメリットが存在します。
中古ワンルームマンション投資のデメリット
中古ワンルームマンション投資のデメリットは、早期に設備の入れ替え・修繕などの費用負担が生じる可能性が新築ワンルームマンションよりも高いことがあげられます。
特に旧耐震基準の物件は、大規模修繕に多額の費用が発生する可能性があり、最悪の場合は取り壊しや建て替えが必要となることもあるため、購入後の修繕計画を把握し、修繕費用を加味した投資判断が必須です。
ただし、都心部の立地条件のよい物件については最低限の空室対策やリフォームで賃貸需要が見込める特徴があります。
【新築VS中古】どちらがおすすめなのか?
新築ワンルームマンション投資と中古ワンルームマンション投資に向いている人、おすすめできる人の特徴を具体的に解説しましょう。あなたはどちらが近いか考えながらご覧ください。
新築のワンルームマンション投資がおすすめな人の特徴
購入する物件が新築であることに強いこだわりがあり、利回りよりも新しさを重視したい人の場合は、中古ではなく新築のワンルームマンション投資を選んだ方がよいといえます。
ただし、新築のワンルームマンション投資には利回りが低いというデメリットがあるため、ローンの返済資金や諸経費など支出の合計よりも賃料収入が大幅に少なくなることが珍しくありません。また、早期に売却してしまうと損をしてしまう可能性が高いため、毎月の投資資金を確保できない人や短期で売却することを検討している人は、新築のワンルームマンション投資は避けた方がよいでしょう。
中古のワンルームマンション投資がおすすめな人の特徴
先述のとおり、東京23区内にはワンルームマンションの建設を規制する条例が存在するため、できる限り都心の立地の良い物件を購入したい人には、中古のワンルームマンションがおすすめです。
また、新築のワンルームマンションや、ファミリーマンションと比べて、一戸あたりの購入価格を低く抑えることができるため、特に早期に5棟10室を達成したいと考えている人や複数件の運用を前提に不動産投資を検討している人には中古のワンルームマンション投資は最適といえます。
都心部の好立地物件では、家賃下落や資産価値下落リスクが低いため、不動産投資のリスクを最小限に考えたい方にもおすすめです。
ただし、中古ワンルームマンション投資においては、利回りを重視して地方の物件や、耐用年数オーバーの古すぎる物件を選んでしまうと、空室対策や出口戦略、融資獲得などの難易度が非常に高くなる可能性が考えられます。
そのようなデメリットは、需要が高く、空室対策の難易度が低い都心部の物件を選ぶことで最低限に抑えることができるため、不動産投資初心者でも無理なく行えるでしょう。
新築と中古ワンルームマンション投資の違いを理解し、自分に合った物件を選ぼう
投資にはそれぞれメリット・デメリットがあり、投資で失敗しないためには、それぞれの投資の違いや特徴を理解し、自分に合った投資手法を選択することが重要です。
新築ワンルームマンション投資と中古ワンルームマンション投資のどちらが向いているかという問題も例外ではなく、違いや特徴、デメリットを軽減させるための方法を知り、投資の目的に合った物件を選択することで、成功確率を高めることができます。
ジーイークリエーションの場合は入居率98%以上の実績があり、空室リスクの少ない物件の紹介と、質の高い賃貸管理で、安心のサポート体制があります。
具体的な物件の紹介や各種相談をご希望の方は、来社、来訪、WEB、電話、メールなどで随時無料相談を実施しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
ジーイークリエーションでは、不動産投資だけではなく生命保険の見直しから年金対策、相続税対策など、幅広く提案しております。どんな投資が自分に向いているのだろう、どうすれば投資で失敗する確率を低く抑えることができるのだろうといった疑問や不安を抱えていらっしゃる方は、セミナーなどに参加して、まずは勉強してみることから始めてみてはいかがでしょうか。
◇下記URLより無料の個別相談をお申込みいただけます。お気軽にお申込みくださいませ。