生命保険は一度加入すれば生涯安心というわけではありません。ライフステージやライフスタイルが変われば必要な保障も変わってくるため、そのたびに見直す必要があります。今回は、生命保険見直しの8つのタイミングと、その際に注意すべきポイントを解説します。
生命保険を見直す理由と必要性
保険に加入している方の実態
日本での生命保険の加入率は高く、生命保険発祥の地イギリスをはるかに超えて世界第1位を誇ります。公益財団法人 生命保険文化センターが発表したデータによると、2019(令和元)年における国内での生命保険加入率は82.1%になることがわかりました。男性は81.1%、女性は82.9%が何らかの保険に加入しています。
なお、年間払込保険料の平均は全体で19.6万円、男性が23.4万円、女性が16.8万円という調査結果が出ています。
出典:令和元年度「生活保障に関する調査」|公益財団法人 生命保険文化センター
保険料が妥当かどうか知るため
知人の紹介などで勧められるがまま保険に加入したという人も多いでしょう。その場合、保険料が妥当かを調べるために、保険を見直ししてみることをおすすめします。もしかしたら保障内容はほとんど変わらないのに、もっと安い掛け金で加入できる保険があるかもしれません。
ライフステージの変化に備えるため
必要な保障はライフステージごとに異なります。たとえば、子育て世代の場合、子どもの教育資金も含めて手厚い保障を考えるのが一般的です。反対に、子どもの独立後はそれほど大きな保障は不要となります。また、年齢を重ねるにつれて健康面のリスクも高まります。いざというときに十分な保障が得られるよう、保険の見直しで備えることが大切です。
生命保険を見直すポイント
保険の種類を把握する
生命保険にはさまざまな種類があります。必要とする保障は人によって違うため、保険の種類を把握するところから始めましょう。
たとえば、死亡時の保障を目的とした保険にも定期・終身・養老などの種類があり、保険期間や毎月支払う保険料が異なります。そのほかにも、病気やケガでの入院に対する備え(医療保険)、子どもの教育費(学資保険)や自分自身の老後の備え(個人年金保険)など、目的に応じた保険があります。
加入している保険が自分に必要なものかどうか判断するためにも、保険の種類や保障内容を確認してみてください。
保険料と保障額を見直す
もしものことを考えると保障は手厚いほど安心です。ただし、月々の保険料が高額になり、家計を圧迫してしまっては意味がありません。現在の保険料は収入に見合っているでしょうか。また、家族構成に変化があれば保障額も再度検討すべきです。遺された家族が生活に困らないだけの保障があるのか。このように、保険料と保障内容のバランスがとれているかを随時見直す必要があります。
保険期間を確認する
加入している保険の保障がいつまで有効なのか、保険料の支払いはいつまで続くのかを確認しましょう。特に定期保険の場合は注意してください。
定期保険とは、10年間や20年間、満60歳までなど、一定の期間に限り保障する保険です。基本的には掛け捨てとなるため比較的安い保険料で加入できますが、解約時や満期時にお金が戻ることはありません。期間満了後に自動更新となるタイプの場合は、更新時に保険料が上がります。保険料がどのくらい変わるのかを確認しましょう。
保険の受取人・被保険者を検討する
結婚や子どもの誕生などで家族構成が変化したときには、保険金の受取人や被保険者を見直すことも忘れないようにしてください。たとえば、独身のときに加入した保険などは、親を受取人に指定している人も多いでしょう。結婚後は配偶者に変更しておかないと、いざというときに家族がスムーズに保険金を受け取れません。
また、契約者・被保険者・受取人の関係性によって、課税される税金の種類が違ってきます。名義を変えておかなかっただけで多額の税金が課せられるかもしれないので、早めに見直しを行いましょう。
生命保険を見直すタイミング 【ライフステージ】
1.結婚
結婚後はパートナーと今後の生活設計について話し合う必要があります。子どもを希望するのか、するとしたら何人くらいほしいのか、どちらかが専業で家事を行うのか、共働きで生計を維持するのかなど、理想とするライフスタイルによって必要な保障は異なります。万一のときに家族が生活していけるかどうかを考え、支払う保険料と受け取れる保障のバランスが良い保険を選ぶことが大切です。
結婚前に加入していた保険があれば、早めに受取人の変更手続きを行いましょう。その際にも、保障内容が十分かどうかを見直すようにしてください。
2.妊娠・出産
子どもを希望する場合、妊娠前に保険の見直しを行いましょう。女性の医療保険には、妊娠してからでは加入できないものがあります。加入できたとしても保障内容に制限がかかることもあるので、妊娠がわかる前に加入しておいた方が安心です。
子どもにかかる教育費の備えも早いうちから始めておいたほうがよいでしょう。学資保険などをコツコツと積み立てておけば、進学時の費用負担が軽減できます。
3.住宅購入
住宅ローンを利用する場合、多くの金融機関では団体信用生命保険への加入を融資の条件としています。ローン返済中に契約者にもしものことがあれば、団体信用生命保険からローンの残債が支払われるため、家族にローン返済の負担をかける心配がありません。
住宅ローンがなくなれば住居費の負担も大幅に軽減されます。加入している生命保険で住居費まで考えて死亡時の保障額を決めたとしたら、マイホーム購入を機に見直してみるとよいでしょう。保障額を減額したぶん、毎月の保険料も抑えられるかもしれません。
4.子どもが独立したとき
子どもの生活費や教育費は、子どもが独立すれば不要となります。家族の生活を守るために設定していた保障額も、独立した子どものぶんは減らしてよいでしょう。
子どもが独立する頃には親の介護が始まるかもしれませんし、自分の老後についても考え始めなくてはなりません。保険を見直して必要なところへお金をまわすようにしてください。
5.老後
年金や退職金で老後の生活資金をまかなえるでしょうか。もし不足するようなら、定年退職後も再就職するなどして生活費を稼がなくてはなりません。
ある程度の年齢になったら、老後の生活設計を始める必要があります。養老保険や個人年金保険などを検討し、安定した収入があるうちに準備しておくことをおすすめします。また、年齢を重ねるにつれて病気やケガのリスクも高まるので、医療保険の内容も見直していくようにしましょう。
6.親を扶養するとき
親を扶養することになって家族が増えれば、自分になにかあっても家族が困らないよう、保障額を増額しなくてはなりません。すでに結婚して家族がいる人なら、加入している保険の死亡保障を大きくする、あるいは親を受取人にした保険に新規加入するなどの方法が考えられます。毎月支払う保険料にも影響するので、家族で話し合って保険の見直しを行ってください。
そのほかの生命保険を見直すタイミング
7.新しい保険商品が出たとき
社会情勢に合わせて次々に新しい保険商品が登場しています。自分のニーズに合う保険がないか、こまめにチェックしておくことは大切です。
別の保険に切り替えなくても、新たに誕生した特約でカバーできる場合もあります。契約内容が古いままでは、いざというときに保障が受けられません。保険会社からのお知らせには必ず目を通し、契約内容や保障内容を確認してください。
8.不動産投資を始めたとき
投資用物件の購入にローンを利用する場合も、生命保険を見直すべきタイミングです。
マイホーム購入時と同じく、不動産投資ローンも団体信用生命保険に加入することが融資条件となっています。契約者にもしものことがあればローンは保険で完済され、物件は資産として家族に遺せます。賃貸事業を相続して家賃収入を生活費に充てることもできますし、物件を売却して現金にすることも可能です。
がんや生活習慣病などの医療特約をつけられるタイプもあるので、もともと加入している保険の保障内容を小さくしてもよいかもしれません。
生命保険の見直しで損しないために
生命保険の見直しで損しないためには、焦らずにじっくり検討することが大切です。勧められるがまま契約してしまうと、高額な保険料を支払うことになったり、いざというときに十分な保障が受けられなかったりするかもしれません。事前に保険の見直しタイミングやポイントを知っておけば、本当に必要な保険に加入できるでしょう。
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